2025年11月21日、資源循環の促進のための再資源化事業等の高度化に関する法律(再資源化事業等高度化法)が全面施行となりました。この度、再資源化事業等高度化法の全面施行以前から、当事務所にお問い合わせが多かった新制度「再資源化事業等の高度化に係る認定制度」について、簡単にご紹介させていただきます。
当事務所では、認定制度の申請をご検討の事業者へのサポートも行っております。お気軽にお問い合わせください。
再資源化事業等の高度化に係る認定制度の概要
3つの認定制度が設けられました。
- 類型①:高度再資源化事業
- 類型②:高度分離・回収事業
- 類型③:再資源化工程の高度化
類型①:高度再資源化事業
制度の趣旨
廃棄物の合理的な収集・運搬、再資源化、再生材の安定供給を行う事業計画を国が一括認定することにより、再生材を活用した循環サプライチェーンを構築する再生材を活用した循環サプライチェーンを構築する動静脈連携事業の創出を推進。
認定事業の特例
認定事業計画に基づいて行う、「廃棄物の収集・運搬又は中間処分の業」や「廃棄物処理施設の設置」について本来、必要となる以下の廃棄物処理法の許可が不要となります。
- 廃棄物処理法の一般廃棄物・産業廃棄物の収集・運搬業、処分業の許可
- 廃棄物処理法の一般廃棄物・産業廃棄物処理施設の設置の許可
対象となる事業
- 製品等の原材料を代替する質・量の再生材を安定して供給する事業
- 日本の資源循環に資する事業に再生材を供給する事業
- 地域との調和や地域振興・地域発展に資する事業
事業に求める要件例
- 再生材の大部分が供給される具体的な需要者(動脈事業)が確保されていること
- 取り扱う廃棄物や再生材について、トレーザビリティが確立されていること
- 腐敗性等のある廃棄物には、生活環境に影響のない措置が講じられていること
- 定量的指標(GHG、資源循環効果)評価
- 責任分界点、管理体制が明確であること
※ 家電リサイクル法の特定家庭用機器(エアコン、テレビ、冷蔵庫冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機など)が廃棄物となったものは対象外
再委託関係
- 認定を受けた高度再資源化事業計画に記載された、認定事業者から収集・運搬、処分の委託を受ける者についても、収集・運搬業、処分業の廃棄物処理法の特例が認められる(⇒ 廃棄物処理法では原則禁止とされる廃棄物処理の再委託が可能)。
類型②:高度分離・回収事業
制度の趣旨
今後、再資源化事業の創出が必要と見込まれる特定の廃棄物を指定したうえで、より高度な技術を用いて有用な再生材を回収する再資源化事業を促進。
認定事業の特例
認定事業計画に基づいて行う、「廃棄物の中間処分の業」や「廃棄物処理施設の設置」について、本来、必要となる以下の廃棄物処理法の許可が不要となります。
- 廃棄物処理法の一般廃棄物・産業廃棄物の処分業の許可
- 廃棄物処理法の一般廃棄物・産業廃棄物処理施設の設置の許可
対象となる事業
「社会的に必要な製品で、今後さらに廃棄物排出量の増加が見込まれるもの」や「現時点で有効な再資源化工程が確立、さらに高度と整理される技術を用いた事業が存在しているもの」を告示で指定します。
- 告⽰で指定する廃棄物(2025年11月21日現在:太陽電池、リチウムイオン蓄電池、ニッケル水素蓄電池)
事業に求める要件例
- 特定の再生材を回収できる高度な技術を用いた事業であること
- 周辺生活環境に影響がないこと
- 定量的指標(GHG、資源循環効果)評価
- その他、必要に応じて廃棄物ごとに告示で定める技術的な基準を満たすこと
類型③:再資源化工程の高度化
制度の趣旨
既に設置されている廃棄物処理施設において、温室効果ガスの排出量の十分な削減が見込まれる設備の更新等を推進
認定事業の特例
- 認定計画に基づいて行う、既に設置されている「廃棄物処理施設の変更」について、廃棄物処理法の変更許可とみなします。
(廃棄物処理施設の変更に係る特例のみで、処分業の変更に係る特定はありません)
事業に求める要件例
- 申請者が、既存制度で推奨・求めている取組を実施していること(優良産廃処分業者の取得、多量排出事業処理計画)
- 高度化法で定めた判断の基準に係る取組を実施していること
- 定量的指標(GHG)評価
※優良産廃処理業者認定制度の取得サポートも当事務所で取り扱っております。お問い合わせください。
※詳しくは環境省ホームページをご参照
環境省HP:資源循環の促進のための再資源化事業等の高度化に関する法律(再資源化事業等高度化法)