モバイルバッテリーやスマートフォンなどに使われている「リチウムイオン電池」による火災や発火事故が相次いています。環境省は家庭から出される不要になったすべての「リチウムイオン電池」を市区町村が回収するよう求める新たな方針をまとめ、2025年4月15日に通知しました。
「リチウムイオン電池」は、モバイルバッテリーやスマートフォンなどさまざまな製品に広く使われていますが、ほかのごみと混ぜて捨てられ回収する際やごみ処理施設で発火し、火災が起きるケースも相次いでいます。一方で、不要になった「リチウムイオン電池」を回収している市区町村は2023年度の時点で全体の75%にとどまり、搭載した製品の捨て方が自治体によって異なっていることなども課題として指摘されていました。こうした状況を受けて環境省は、家庭から出される不要になったすべての「リチウムイオン電池」について全国の市区町村が回収するよう求める新たな方針をまとめました。回収方法については住民の利便性が高い地域のごみステーションや戸別での分別収集を基本とし、役場や公民館などの拠点施設に回収ボックスを設置して活用することも推奨しています。また発火事故を防ぐため破損したり膨張したりしている電池は別途、回収することが望ましいとしているほか、住民に電池を使い切った状態で出すよう呼びかけるなど、捨て方をわかりやすく示して広報することも求めています。
市区町村におけるリチウムイオン蓄電池等の適正処理に関する方針(環境省)
https://www.env.go.jp/recycle/waste/lithium_1/index_00002.html
「市区町村におけるリチウムイオン蓄電池等の適正処理に関する方針」には、廃リチウムイオン電池の回収・保管・処理方法に関する注意点について記載されています。廃棄物処理事業者様につきましても、産業廃棄物として廃リチウムイオン電池の取扱うにあたり、「排出事業者への周知・協力への依頼」「収集運搬」「施設での処理」する際の発煙・発火対策として非常に参考になるものと思います。
リチウムイオン電池が使われている製品
- スマートフォン
- パソコン
- モバイルバッテリー
- 電動アシスト自転車のバッテリー
- コードレス掃除機のバッテリー
- ワイヤレスイヤホン
- 加熱式たばこ
- 電動歯ブラシ
- シェーバー
- ハンディファン
- 電動工具
- 電動式玩具 など
※ 最近充電できる製品のほとんどに、リチウムイオン電池が使用されています。