馬橋行政書士事務所

産業廃棄物・リサイクル・環境分野に特化した東京都豊島区・大塚(池袋の隣)の行政書士。 許認可取得・法務・コンサルティング業務を行っています。


産業廃棄物処理業に関する許可


(1)産業廃棄物処理業の許可の種類

大きく分けて、次の2つです。

  • 産業廃棄物収集運搬業許可
  • 産業廃棄物処分業許可

①産業廃棄物収集運搬業許可

産業廃棄物の収集運搬を業として行うには、産業廃棄物収集運搬業許可が必要です。
ただし、営業が許されるエリアは、許可を受けた都道府県内のみです。
このため、広範囲で営業活動を行う場合には、「廃棄物の積み込み場所」と「廃棄物の荷降ろし場所」、それぞれの都道府県から許可を取得する必要があります。例えば、関東1都3県を営業エリアとしている事業者の方は、東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県の許可をそれぞれ取得します。

産業廃棄物収集運搬業許可は、収集運搬方法により、「積替え保管なし」と「積替え保管含む」に分けられています。

「積替え保管なし」とは

産業廃棄物を積み込んだ後、処分場まで直送しなければならない収集運搬方法です。
産業廃棄物の収集運搬許可を取得すると言えば、この「積替え保管なし」での申請が一般的です。

「積替え保管含む」とは

産業廃棄物を積み込んだ後、積替保管施設にて、廃棄物を一時保管もしくは積替えを行うことが許された収集運搬方法です。許可申請先は、積替保管施設の所在地を管轄する都道府県または政令市となります。
この許可の取得は難易度が高いため、専門家の協力が必要となりますが、運搬効率の向上が期待できます。また、「環境への配慮」や「労働時間の短縮」にも寄与し、企業価値の向上にも役立てることも可能です。

②産業廃棄物処分業許可

産業廃棄物の中間処理・最終処分を業として行うには、産業廃棄物処分業の許可が必要です。
許可取得の手続きは2段階となっており、あらかじめ「産業廃棄物処理施設の設置許可」を取得した後、「産業廃棄物処分業の許可」を申請する流れになっています。
許可申請先は、処分施設の所在地を管轄する都道府県または政令市です。
事業用地の確保・必要な関係法令の対応・住民説明など、許可取得のハードルが更に高くなり、数年単位での準備が必要な大プロジェクトになります。

(2)取り扱うことができる産業廃棄物

産業廃棄物処理業の許可を取得していても、全ての産業廃棄物を取り扱うことはできません。
取り扱うことができる産業廃棄物は、許可証に記載された種類のみです(処分業の場合、処分方法に対する産業廃棄物の種類)。

「産業廃棄物」は、事業活動に伴って生じた廃棄物であって、廃棄物処理法により定義された次の20種類の廃棄物です。

「燃え殻」「汚泥」「廃油」「廃酸」「廃アルカリ」「廃プラスチック類」「ゴムくず」「金属くず」「ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず」「鉱さい」「がれき類」「ばいじん」「紙くず」「木くず」「繊維くず」「動植物性残さ」「動物系固形不要物」「動物のふん尿」「動物の死体」「法施行令2条第13号に規定する産業廃棄物」

産業廃棄物のうち、爆発性、毒性、感染性その他の人の健康又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがある性状を有する「特別管理産業廃棄物」を取り扱うには、『特別管理産業廃棄物処理業の許可』が別途必要です。

(3)許可申請の種類

産業廃棄物処分業許可において、以下の事象が生じる場合、申請や届出を行います。

  • 新規申請   ・・・ 都道府県ごとに新たに許可を取得する場合
  • 更新申請   ・・・ 5年ごとの更新申請を行う場合(許可の有効期間は5年)
  • 変更許可申請 ・・・ 取り扱う産業廃棄物の処分方法や種類等を変更する場合(事前申請)
  • 変更届    ・・・ 車両・役員等の軽微な変更があった場合

(4)許可要件

産業廃棄物処理業の許可要件には次のものがあります。

  • 「産業廃棄物又は特別管理産業廃棄物処理業の許可申請に関する講習会」を修了していること
  • 申請者、申請者の役員等、5%以上の株主等及び政令使用人が欠格要件に該当しないこと
  • 産業廃棄物の収集運搬は、飛散・流出及び悪臭が発散するおそれのない方法で行うこと
  • 事業を的確にかつ継続して行うことのできる経理的基礎を有すること(債務超過でないこと等)

ご不安をお持ちの事業者様につきましては、弊所までご相談ください。
一緒に対処策について考えてまいります。

(5)特別管理産業廃棄物について

① 許可について

特別管理産業廃棄物も(普通の)産業廃棄物と同様に、以下の許可があります。

  • 特別管理産業廃棄物収集運搬業許可
  • 特別管理産業廃棄物処分業許可

また、特別産業廃棄物収集運搬業許可も、収集運搬方法により、「積替え保管なし」と「積替え保管含む」に分けられています。

② 取り扱うことができる特別管理産業廃棄物

「(普通の)産業廃棄物処理業の許可」では取り扱うことができません。
また、取り扱うことができる特別管理産業廃棄物は、許可証に記載された種類のみとなります(処分業の場合、処分方法に対する特別管理産業廃棄物の種類)。

③ 特別管理産業廃棄物の種類

特別管理産業廃棄物を大きく分類すると、以下の4種類に、輸入された特別管理産業廃棄物を加えたものとなります。

  • 廃油(燃焼性)
  • 廃酸・廃アルカリ(腐食性)
  • 感染性産業廃棄物(感染性)
  • 特定有害産業廃棄物 [PCB等・PCB汚染物・PCB処理物・廃水銀等・指定下水汚泥・廃石綿等(アスベスト)・廃油(廃溶剤)・その他] 

④ その他

許可申請の種類・許可要件については、普通の産業廃棄物と同様です。
しかし、爆発性、毒性、感染性その他の人の健康又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがある性状を有する「特別管理産業廃棄物」の取り扱いについて注意すべき点が多く、高い専門性を有する専門家の協力が必要です。

東京都では、産業廃棄物を取り扱う全事業者のうち、特別管理産業廃棄物を取り扱うことができる事業者はたったの5%しか存在しておりません。
特別管理産業廃棄物処理業の許可取得をお考えの事業者様は、廃棄物・リサイクル・環境に特化している弊所にご相談ください。

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